【19世紀:多量元素の確立】
19世紀は、1804年にソシュールが二酸化炭素と水の必須性(※)を示したことに始まり、1875年にベームが苦土の必須性を明らかにするまで、多量元素の必須性が次々と明らかにされた時代でした。
これらの研究者はいずれもヨーロッパ出身であり、当時の科学研究の中心がヨーロッパにあったことを物語っています。
| 発見年 | 元素 | 分類 | 提唱者 |
|---|---|---|---|
| 1804年 | 水素(H) 炭素(C) 酸素(O) | 多量元素 | ソシュール(スイス) |
| 1841年 | 窒素(N) リン(P) カリウム(K) | 多量元素 | リービッヒ(ドイツ) |
| 1844年 | 鉄(Fe) | 微量元素 | グリ(フランス) |
| 1862年 | カルシウム(Ca) | 多量元素 | シュトーマン(ドイツ) |
| 1866年 | 硫黄(S) | 多量元素 | ビルナー(ドイツ) ルカヌス(ドイツ) |
| 1875年 | マグネシウム(Mg) | 多量元素 | ベーム(オーストリア) |
※ ソシュールは、植物の生育に二酸化炭素と水が必要であることを示した研究者であり、元素そのものの必須性を直接示したわけではありません。ただし、これに先立って元素の必須性を示した研究は知られていないため、本稿では必須性の発見の起点として扱います。
【20世紀:微量要素の時代】
20世紀に入ると、科学の中心はアメリカへと移り、植物栄養学は新たな局面を迎えます。多量元素の理解が進むにつれて、研究の焦点は「ごくわずかな量でも不可欠なものは何か」という問題へ移りました。
| 発見年 | 元素 | 分類 | 提唱者 |
|---|---|---|---|
| 1922年 | マンガン(Mn) | 微量元素 | マクハーグ(アメリカ) |
| 1925年 | 銅(Cu) | 微量元素 | マクハーグ(アメリカ) |
| 1926年 | ホウ素(B) 亜鉛(Zn) | 微量元素 | ソマー(アメリカ) リップマン(アメリカ) |
| 1939年 | モリブデン(Mo) | 微量元素 | アーノン(アメリカ) スタウト(アメリカ) |
| 1954年 | 塩素(Cl) | 微量元素 | ブロイヤー(アメリカ) |
| 1987年 | ニッケル(Ni) | 微量元素 | ブラウン(アメリカ) |

なお、植物の必須元素については以下のサイトも参照してください。
- 日本オーガニック株式会社「植物の必須元素」https://www.nihon-organic.co.jp/number/338/